Daily Archives:2015年7月7日

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例文(査定書、挨拶文3)

〇様

                  平成21年○月○日

                        住所

                    〇不動産会社

                      担当 〇

 拝啓、時下益々ご清栄のこととお喜び申し上げます。この度はご自宅の査定依頼を承り誠にありがとうございます。

 昨今の不動産を取り巻く環境はサブプライム問題で景気の減速感が強まる中、世界同時インフレ、リーマンブラザーズの破綻などにより非常に不透明な時代を迎えております。特にこの一年においては新興デベロッパーの倒産など不動産市況はバブル崩壊よりも厳しいという状況になっております。

 しかしながらこのような流通市場が取引停滞に陥っている中でも、価格調整に時間がかかりそうな新築物件に比べ、価格調整の効果が出てきている中古物件市場には回復の兆しが見え始めております。

 弊社は、現在の不動産市場価格について常に最新情報を収集して各地域の実勢価格を的確に把握する一方、豊富な取引経験を基に複雑な権利関係の案件や一般には困難と思われる取引も多数手がけて参りました。

 人間一人一人顔が違うように不動産もそれぞれ顔が違います。それぞれの不動産毎に最も適した「売却方法」「売却プラン」があり、私どもにはその様々な状況に応じた豊富な経験と知識がございます。査定書をご覧頂きお役に立ちましたら幸いです。

 ○様ご所有の物件は〇駅徒37分という駅前好立地ながら、周辺は区画の整った住宅地であり、かつ間口の広い日当たりの良い南道路と非常に資産価値の高い物件であると認識しております。今回査定書作成にあたりましては地域の直近の成約事例を比較検討し、下記のように査定させて頂きました。(詳細については別紙「査定書」をご確認願います)

・成約予想価格5,900万円(下限価格)

・売り出し価格6,280万円

・上限価格6,480万円

 冒頭にもお話申し上げましたが、・・・この内容はマニュアルに掲載しています・・・ことはかえってマイナスとなってしまいます。

 そこで私共の提案と致しましては、当初の出値を6,500万円を若干切る6,480万円をお勧め致しますが、どうしても反響が望めない場合は価格の変更をお願い申し上げ、6,000万円を若干でも切る価格を設定することが出来ればご成約は近いものと考えます。

 現在の不動産市況はこの金額であれば確実に売れるであろうと予想される物件ですら、ご成約に時間がかかるか、大幅な値段交渉が入るという状況です。その意味でも価格設定、価格変更のタイミングは非常に重要になります。

 以上、様々な内容をお伝えいたしましたが、査定金額はプロであればあるほど、その地域に精通していればいるほどその金額はほぼ同じような金額となります。言い換えれば売買を成功させるポイントは最終的には99%が担当者の力となります。市場の動向・先行きを見抜く力、ご縁を成約に結び付ける営業力・知識・経験その全てを兼ね備えていなければ売買を成功させることは難しいです。

 

査定価格提案書

〇〇様                  平成26年〇月〇日

         【査定価格提案書】

        ●査定物件「------」

 査定対象不動産は、〇駅に隣接している為希少性が非常に高く、近隣商業地域に指定されている為、建ぺい率や容積率が高く土地の有効活用が図れる土地となっております。尚、現況は商業ビルの底地となっております。

 底地を査定する場合、土地を利用できる更地と比べて地代の収益を得ること以外の所有目的が乏しいため、査定価格は大幅に割り引いて考えなければなりません。割引の基準としては、国税庁による財産評価基準書が参考となります。同書によると、査定対象不動産は、借地権の評価が70%、底地としての評価が30%が基準となります。

 また、査定対象不動産の年間収益が約〇円であることからすると、底地としての評価ではなく、利回りを基準とした収益不動産としての評価も可能でございます。

※物件概要

【所 在】

【交 通】

【面 積】

【方 位】

【用 途】

【建蔽率】

【容積率】

≪更地としての評価≫ 1坪当たりの単価を〇万円~〇万円として計算致します。※〇坪×〇万円=〇万円

評価額:〇万円~〇万円

≪底地としての評価≫ 上記更地価格の30%として計算致します。※〇万円×30%=〇万円

評価額:〇万円~〇万円

≪収益不動産としての評価≫ 年収約〇万円として、利回り14%(通常)~17%(底地)として計算致します。

評価額:〇万円~〇万円

【査定価格】

➀上限価格(一般的には高いと思われるが、売れる可能性がゼロではない価格)

〇万円

➁下限価格(一般的な相場価格)

〇万円

※不動産市況について  首都圏におけるここ数年の住宅地の価格は、平成19年~同20年の、いわゆる「ミニバブル」をピークとして、その後の「リーマンショック」に伴う信用収縮によって急落したのち、平成22年以降緩やかな下落傾向が続いていました。その後、平成25年の公示地価では上昇地点が増えるなど、全般的な底入れ感が強まっていたところ、直近では消費税増税前の駆け込み需要・東京オリンピックの開催決定・日経平均株価が16,000円を突破するなど、大幅に不動産市況が回復しています。特に都心部では不動産投資が積極的に行われ始めているなど、一部の地域においては不動産価格の急上昇が見受けられます。今後都心部以外の地域に波及してくるかは、これからの景気動向次第となっております。

※本査定書による査定価格は現在の不動産市況に基づく価格であるため、今後の経済情勢等の変化や当地域における実需の観点から、購入希望者様の希望価格と異なる可能性もございます。その場合、実際のご成約価格が査定価格を下回る場合もございます。何かご不明な点、気になる点がございましたらいつでもお気軽にご連絡下さい。何卒宜しくお願い申しげます。

建物目視のチェックリスト

建物を目視調査する場合のチェックリストをまとめました。

1.基礎

 ①コンクリートの割れ:ヘアクラックではない大きなひび割れがないか

 ②鉄筋の膨張:コンクリートのかぶり厚が充分ではない場合、鉄筋が水分を含み膨張してコンクリートを押しだして来ます。

 ③ジャンカの発生:立ち上がりの打ち継ぎ面近くに大量のジャンカがある場合、建築時にしっかりした打設が行われなかった可能性があります。

2.外壁

 ①シーリング:シーリング材が劣化していれば防水機能が低下し、雨漏りの原因となります。

 ②モルタル:モルタルの仕上げ面(表装)は、通常下地板の継ぎ目で割れてきますが、斜めに割れている場合は、建物が変形している可能性があります。

 ③開口部付近のクラック:雨水は窓のサッシ枠に伝わって落ちますので、開口部付近にクラックがある場合、雨漏りの原因となります。また、開口部付近の弱いところに荷重が集まりやすくクラックも生じやすいです。

 ④水染み:水染みのある壁は、壁の内部に雨水が侵入したり、結露が生じていたりします。

3.屋根

 ①屋根裏:屋根裏に雨染みがないか調べます。

 ②取り合い部:屋根材の継ぎ目(取り合い部)は不整合が生じやすい場所です。不整合が生じた場所から雨水が流入しやすくなります。

 ③採光窓(トップライト):トップライト下端の防水シートが劣化し、雨漏りの原因になります。

4.バルコニー

 ①立ち上がり部や接合部:立ち上がりや接合部に隙間があると、そこから雨水が侵入してきます。

5.床下

 ①シロアリ:シロアリが生息していないか調べます。

 ②漏水痕:漏水して躯体に漏水痕が生じていないか調べます。

6.室内

 ①傾き:水平器やドアの開閉がスムーズか、場合によってはビー玉を転がしてみます。

 ②腐食:室内に腐食している箇所がないか調べます。

7.庭先

 ①浄化槽や井戸があった痕跡がないか調べます。

 ②マスを開けて隣地への越境や隣地からの越境がないか確認します。

8.評価証明書

 ①増築部分がないか登記簿謄本と比較します。

9.擁壁

 ①たわみ・クラックがないか調べます。

 ②ブロック塀が隣地との共有か、所有しているのか調べます。ブロック塀の真ん中に境界票がある場合は共有であることが多いのですが、異なる場合もあるので注意が必要です。

10.越境

 ①屋根の一部や塀や植栽が越境していないか確認します。

 ②境界票が全箇所あるか確認します。

11.残置物

 ①物置や庭石が撤去なのか、現況のままなのか確認します。希に巨大な石や旧基礎が埋まっていて撤去費用が多くかかってしまう場合もあるので注意が必要です。