マンションを買取してもらう場合の買取価格の相場についてまとめました。一般的に買取価格は市場価格の7割前後と言われていますが、不動産買取に強い不動産仲介会社では下記基準が目安となります。
➀市場価格が5,000万円の場合、買取価格4,000万円前後
②市場価格が4,000万円の場合、買取価格3,000万円前後
③市場価格が3,000万円の場合、買取価格2,500万円前後
④市場価格が2,000万円の場合、買取価格1,800万円前後
⑤市場価格が1,000万円の場合、買取価格800万円前後
【まとめ】
市場で売れる価格が高くなればなるほど、購入と売却経費がかさむうえ、投下した資本に対して得なければならない利益も高くなるため、再販売価格を高く設定するか、買取価格を安くしなければなりません。これに対して、市場で売れる価格が低ければ低くなるほど、経費が安く済みますし、得なければならない利益も低く設定できるため、買取価格も高くすることができます。
※買取業者が設定している利益率は、買取価格の10%程度。買取価格が5,000万円の場合500万円の利益、買取価格が1,000万円の場合100万円の利益を得なければなりません。
マンション買取業者を選定する際のポイントをまとめました。
①以前に同じマンションで大きい利益が出たことがある業者か
買取してもらうマンションで、以前に赤字が出てしまっている買取業者は高い値段を出してくれません。
選ぶのは、同じマンションで高い利益が出せた買取業者を選びましょう。
②買取業者が得意としているタイプのマンションか
買取業者によっても得意・不得意のマンションがあります。マンションのタイプによって売るノウハウが違うからです。
選ぶのは、買取を依頼するマンションを高く売るノウハウを持っている買取業者を選びましょう。
③今仕入れをしている時期か
買取業者の中には、仕入れに力を入れている時期と、販売に力を入れている時期があります。
選ぶのは、仕入れに力を入れている買取業者を選びましょう。多少無理してでも高く買ってくれる場合があります。
④逆に相場を良く知らないか
買取業者も相場が良く分からず、高くマンションを購入してしまった・・・という場合があります。例えば、今まではそのエリアでの買取を積極的にしていなかったが、今後積極的にしていこうと考えていたり、そのエリアの特性を良く知らないで買ってしまったり、買取業者も再販売価格を間違えてしまって仕入れ価格を高く設定してしまう場合があります。
⑤特徴がある部屋か
例えば、角部屋、眺望良好、ルーフバルコニー付、部屋が大きすぎない等の特徴を備えている物件は再販売の時に高く売れる可能性が他の部屋より高まります。
選ぶのは、そのような特徴を良く理解してくれる買取業者を選びましょう。
⑥担当の力はあるか
買取価格を決定には社内稟議を経るのが一般的です。社内稟議では担当の発言力がものをいいます。
選ぶのは、力のある担当者や、マンションの魅力をよくわかってくれている担当者がいる買取業者を選びましょう。
⑦競合を出しているか
最後のもう一声を買取業者から引き出すためには、やはり競合他社の存在が必要です。他の会社はこれくらい出してくれているなどちらつかせる必要があります。しかし露骨にやりすぎてしまうと、担当者もあきらめてしまうので、最後の一交渉ぐらいに留めておく方が良いでしょう。
⑧この価格なら買える
買えるか、買えないかわからない状況であれば、買取業者の別のマンションの買取に力を入れてしまいます。この価格だったら買えると買取業者に思わせることで、自分のマンションに力を入れてくれることになります。
⑨情報は新鮮か
古い出回り情報では、買取業者も真剣に取り扱ってくれません。未公開の新着情報と買取業者に思わせることでより高い買取価格を引き出すことが可能となるのです。
これまでに携わった不動産買取事例についてまとめました。どのような場合に不動産買取を利用するのか参考にしてください。
1.所有不動産の売却を条件に新築マンションを購入したお客様が、販売活動の結果売れなかったので売却期限に不動産買取を選択。
2.離婚が原因で不動産売却を決めたが、売却手続きが面倒なので不動産買取を選択。
3.リストラの為、住宅ローンの支払いが困難になったお客様。相場価格を遥かに超える残債(住宅ローン)が残っていたため、とにかく早く売却したいと不動産買取を選択。
4.不動産仲介で相場価格の売却活動をしていたが、不動産業者間ネットワーク「レインズ」を見た不動産買取業者がノルマ達成の為、値段交渉せずに不動産買取。
5.高圧線、鉄塔、都市計画道路の拡幅、線路の地上権により不動産仲介での売却が難しい不動産。売主も売却できれば条件は問わないと不動産買取を選択。
6.築年数が経過した不動産。お客様をご案内しても成約しないため、不動産仲介で売却するにはリノヴェーションする必要があるが、リノヴェーション費用を負担するリスクがあることや居住しながらのリノヴェーションも難しい。リノヴェーション前提の不動産買取業者への売却を決断。
7.相続により取得した古家付の土地。建ぺい率、容積率が良かったため分割して戸建てを2件建てることが可能な土地だった。建売業者の買取価格が査定価格と変わらないため、不動産買取を選択。
一番高い不動産買取価格を提示してもらうためにはどのようにしたらよいのでしょうか。
【自分で不動産買取業者に直接依頼する】
数えきれない不動産買取業者には、それぞれ得意分野・不得意分野、積極的に仕入れをしている時期・再販売に力を入れている時期、出来る仕入れ担当者・できない仕入れ担当者、等の様々な事情がございます。一番高い不動産買取価格を査定してくれる不動産買取業者を選ぶにはこれらの事情に精通するのはもちろんのこと、幅広い人脈を持っていなければなりません。すなわち一般の人が、インターネットサイトで知った、若しくは近所で再販売している不動産買取業者に不動産買取を依頼してもうまくいかないのは想像に難しくありません。また、不動産買取業者にとっては安い値段で仕入れが出来ることにこしたことはありません。一般のお客様には、安い買取金額を提示してくることでしょう。
【不動産仲介会社に不動産買取業者を紹介してもらう】
それでは、どのようにしたら一番高い不動産買取価格を査定してもらえるのでしょうか。結論は、不動産仲介会社に不動産買取業者を紹介してもらうことが最良の結果につながります。もちろん、自分で不動産買取業者を探して買い取ってもらう場合と比べて、仲介手数料が発生してしまうので一見損をしてしまうような感じがするのですが、不動産買取業者間でも買取価格が200万円以上異なることが一般的であること、不動産買取査定価格を不動産仲介会社の営業力で100万円以上上げてもらえる場合が多、営業マンと買取担当の付き合い方で値段が大きく変わってくることからすると、仲介手数料を払った以上の見返りがあるのは間違いありません。
不動産買取査定価格は自分で依頼するよりも不動産仲介会社にお願いした方が最良の結果につながると思います。
【特殊事情】
・決算月:決算に向けて高く不動産を買い取ってくれる会社があります。
・在庫不足:販売が好調で在庫が不足している場合など、高く買取金額を出してくれる場合があります。
・ノルマ:ノルマに追われている不動産買取担当者に査定を依頼すると思いがけず高い金額を出してくれることがあります。
・抱き合わせ:別の物件を安く買取できることを条件に、もう一方の物件を高く買い取ってくれる場合があります。
・高利益:別の物件で高利益が出た場合などは、次の物件の仕入れの時に見込み利益を低く設定してくれることがあります。
・退職社員:退職が決まっている社員は、保身がないため、冒険してでも不動産を買い取ってくれます。
検索エンジンで「不動産買取」と検索すると、不動産買取価格を一括査定するサイトが多く上位表示されています。そこで、どのような会社が査定してくれるのか確認したところ、大手不動産仲介会社の営業マンからすると不動産買取を依頼することをためらうような会社ばかりでした。
おそらく、大手不動産仲介会社から不動産買取価格の査定依頼を受けることのできないような会社が、登録料等を支払ってサイト掲載しているのでしょう。もし不動産買取価格の査定依頼をするのならば、下記のようなポイントに注意すると良い結果が出せると思います。
【不動産買取業者選定のポイント】※不動産の所在するエリア内での相対評価。
・資本金は多いか
・設立が浅くないか
・従業員数は多いか
・再販物件を多数保有しているか※物件を借りて広告している会社もあるので見極めが必要です。
・ホームページが充実しているか
・上場しているか
※不動産買取業者の選定を不動産仲介会社に依頼することもできます。その場合仲介手数料がかかりますが、仲介手数料を払ってでも依頼する価値がある場合があります。
知らないと損する不動産買取と不動産仲介の違いについてまとめました。
〇不動産買取とは、不動産買取業者に所有不動産を買い取ってもらうことで、買主は不動産会社ということになります。
〇不動産仲介とは、不動産仲介会社に所有不動産の売却活動を依頼し、不動産仲介会社の媒介を得て不動産を売却することで、買主は主に一般の人になります。
〇不動産買取の流れ
・査定依頼⇒査定⇒買取金額の提示⇒売買契約⇒引渡⇒付加価値⇒再販売
〇不動産仲介の流れ
・査定依頼⇒媒介契約⇒販売活動・内見⇒条件交渉⇒売買契約⇒ローン期間⇒引渡⇒瑕疵担保責任期間
〇不動産買取の相場:不動産価格の買取価格は下記要素によって決定されます。
・再販売価格:市場性によって異なりますが、駅近・人気のあるエリアや希少性のある不動産などは不動産買取業者も高く設定してくれます。
・購入経費:仲介手数料・登記費用・不動産取得税がかかります。
・売却経費:仲介手数料・登記費用・譲渡税・販売活動費・ローン金利がかかります。
・利益:購入金額の10%程度が目安となります。
〇不動産買取のメリット
・不動産買取業者に直接依頼すると、仲介手数料が不要の場合がある。
・即現金化できる。
・確実な売却金額が見込める為、資金計算がしやすい。
・未公開で売却することができる。
・瑕疵担保責任が免責となる。
〇不動産買取のデメリット
・相場より安くなってしまう場合がある。
・引渡期間を短めにしなければならない。
〇不動産仲介のメリット
・インターネット等で広範囲にお客様を探す。
・販売価格は、売主が主導権をもって決定することができる。
〇不動産仲介のデメリット
・なかなか売れない場合があり、精神的負担が大きい。
・買い替えの場合、資金計算がしにくい。
・近所に売却活動がわかってしまう。
・土曜日と日曜日の休日が内見対応に追われてしまう。
・内見の度に家の中をきれいにしなければならない。