Pageブログ(不動産仲介 日常業務について) | 不動産仲介会社への入社・就職マニュアル SKS合同会社 - Part 9     

どうなる不動産買取

国土交通省が1月28日に発表した平成27年度の同省税制改正要望により不動産買取再販業者の不動産取得税が非課税となった場合の、不動産買取について考察致しました。不動産買取のメリット、リフォーム費用の増加、不動産取得税の非課税措置、不動産買取の今後、について。

【不動産買取のメリット】

所有不動産を売却する場合に、インターネット広告や新聞折り込み広告などの販売活動を通して購入希望者を探していく方法のほか、不動産を買い取ってリフォーム・リノヴェーションして再販売する不動産買取再販業者に買い取ってもらう方法がある。一般的に不動産買取再販業者は再販売価格からリフォーム費用・経費・利益を控除する逆算の方法で買取金額を提示する為、買取金額は一般の人が購入する価格よりも低くなりがちである。ところが、築年数が経過した不動産にもかかわらず分譲時からリフォーム等を行っていない物件となると、購入時にリフォームが必要となってくるが、なかなかリフォーム後の仕上がりを想像できる一般の人は少ない。そのため、よほど販売価格が安くなければ一般の人には売れにくい状況となってしまう。そのような場合、一般の人に売却するための金額と、不動産買取再販業者の買取金額はそんなに変わらない場合が出てくる。そのようなときには、売主の瑕疵担保責任を免責してくれる不動産買取再販業者に売却した方がよほどメリットが大きい。

【リフォーム費用の増加】

バブル以降建設人材が減り続けたことに加えて、東日本大震災による復興需要に東京オリンピックによる建設需要が重なって、職人の人手不足が顕著となった結果、職人の人件費が高騰しています。以前は70㎡のマンションのフルリフォームが350万円程度で出来ていたところ、現在では400万円は下らないところまでリフォーム費用が増加してしまっています。

【不動産取得税の非課税措置】

国土交通省が1月28日に発表した平成27年度の同省税制改正要望によると、不動産買取再販業者に課される不動産取得税を非課税とする特例措置の創設がありました。この特例措置が創設されれば不動産買取再販業者の経費が抑えられ、結果として買取金額の底上げが期待されます。

【どうなる不動産買取】

以上のように、人件費を原因として増加してしまったリフォーム費用を平成27年度の税制改正による不動産取得税の非課税で補うことができれば、景気上昇による再販価格の上昇と相まって、不動産買取再販業者の買取金額の上振れが期待できるかもしれません。

マンション(土地・戸建)売却手付金

マンション(土地・戸建)を売却する際に売主が買主から受領する手付金の額は、大手不動産仲介会社であれば売買代金の5%~10%が推奨される。しかしながら手付金は、いくらでなければならないという決まりはなく売主と買主が双方合意すればいくらでも良い。

なぜ、大手不動産仲介会社が5%~10%の手付金を推奨するかというと、手付金が余りに少額(50万円未満)だと手付金を放棄若しくは倍返しして契約を解除することができやすくなってしまうし、余りに高額だと不測の事態で契約を解除したい場合に解除ができず、不動産仲介会社の責任が追及されかねないことになる。

もちろん買主には多少の手付金が用意できない場合もあるので売主の了承を得たうえでやむを得ず少額の手付金で契約する場合もある。そのような場合にはなるべく中間金を入れて頂くようにしている。この時の中間金は、ペナルティの対象となる手付金には充当されないので注意が必要だ。

フラット35、適合証明書

フラット35を利用する場合は、物件に対してフラット35の融資対象物件に該当することを証する適合証明書が金消契約までに必要となる。

マンションであれば、マンション構造に関する問題がないか(壁に接していない柱がないか、ピロティがないか、1階部分が駐車場になっていないか)、管理規約上長期修繕計画が既定されているかが問題となる。

中古戸建であれば、基礎高は十分か、軒裏換気口が設置されているか、基礎に一定のピッチで換気口が設けられているかが問題となる。

得てして築年数が経過した物件や輸入住宅等は、フラット35の融資条件を満たしていないことが多々ある。そんなとき、経験が少ない営業マンはフラット35の利用をあきらめてしまうだろう。

しかし、経験豊富な営業マンであれば、フラット35の適合証明書の取得方法を心得ているので、何としても適合証明書を取得するだろう。また、そのための対応工事を行ってくれることがある。適合証明書発行費用は10万円以内、対応工事費用は50万円以内が目安となる。

ホームインスペクション、建物診断

中古不動産(特に戸建)の仲介を行っていると、最近お客様からホームインスペクション(建物診断)の実施を求められることが増えてきた。確かに、不動産取引に際しては瑕疵担保責任が売主に課せられるし、表装だけではわからない瑕疵が潜んでいるかも知れないと思うと、本当にこの不動産を購入して大丈夫なのか、後で問題が出てくるのではないか、中の状態はとんでもないことになっているのではないか心配される気持ちもわからないではない。そのため、専門家に建物の状態を見てもらおうというのだ。

ところが、その専門家も建物の基礎・柱・木材・屋根・外壁等の耐久性まで測定できるわけではない。屋根裏に上って雨染みの有無で雨漏りの可能性を推測したり、基礎のクラックの有無を調べて耐久性に問題がないか推測したり、外壁のコーキングの劣化度合いを見て雨漏りの可能性を推測したり、床下を点検口から潜ってみて土台が腐っていないか、水漏れの跡がないか調べて給排水管の故障の有無を推測したりしているのだ。

つまり、構造上や木材の耐久性の問題まで調べることができるのではなく、建物をつぶさに注視することで建物が発している不具合のサインを発見できるかどうかを調べているのだ。これはある程度の経験を積んだ不動産営業マンや実際に住んでいる売主に細かくヒアリングすればわかってしまうものでもある。不具合のある建物はどこかになんらかのサインを出しているものだ。言い換えると原因不明の問題(カビや建具のゆがみ)が生じている建物はどこかに問題があることになる。そのサインを漫然と見過ごさずきちんと原因を確認できるかどうかの違いなのだ。

不動産営業マンや売主が不具合のサインを見つけられない建物にホームインスペクションや建物診断を実施しても経験上9.9割は問題ないと診断される。ただ、安心をお金で買うことができるとしたら安い買い物なのかもしれない。費用も10万円以内が目安となる。

価格上昇も、まだまだ高いマンション購入意欲

1月30日にスタイルアクト(株)が発表した、第28回「マンション購入に対する意識調査」では、購入意欲が「増している(増している+やや増している)」のは全体の58%と、前回より4ポイント増加しています。今般の成約件数が減少している実態に対するプラス材料と言えると思います。ただ、購入意欲が強いのは都区部のマンション購入検討者であり、郊外ではそれほど購入意欲が高いと感じられない状況です。希望としては、都心部の不動産市況好調の波が早く郊外にも波及して欲しいと思います。

フラット35がとてつもなく低い金利

平成27年1月9日、平成26年度の補正予算が閣議決定された。これによると、「フラット35S」の金利引き下げ幅が、現行の0.3%から0.6%へと拡大されることになる。

つまり、現在返済期間21年超のフラット35Sの金利は、概ね当初5年間1.17%に優遇されているが、今後当初5年間0.87%まで優遇され、6年目以降は長期固定の1.47%になるのだ。大手都市銀行が店頭変動金利2.475%を0.775%まで優遇していることを考えてみると、変動金利のリスクよりも長期固定金利の安定さの方が勝っていることは間違いがない。

デフレ不況→金融緩和によるマイナス金利→国債価格の上昇が原因となる長期金利低下の波もここまで来たかという状況になっている。こんなに低い利率のお金を借りなければ損をしてしまうとまで言える状況である。

 

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